黒澤哲郎氏は、1976年茨城県に生まれ、ギター作家の黒澤澄雄を父を持ち、幼い頃から工房が哲郎氏の遊び場だった事から、ギター製作家の道に進むことになります。1994年から澄雄氏の工房に入門し、当時のギター界を席巻していた、アントニオ・デ・トーレス、サントス・エルナンデスの音色に魅了されました。
1997年 スペインに渡り、マドリッドのテサーノス、ペレスの工房に入門した事から、未だ日本では経験したことのないスペインの風土的背景を表現する製作手法や音づくりを目の当たりにし、これまでの製作研究の基盤を改めて組み替え直すことになりました。
また、1998年には、グラナダのアントニオ・マリーンの工房でセラック技法の塗装を学び、スペインで2年にわたって研鑽を積み、ギター作家の基礎を築き上げることができました。
出品のギターは、2001年の製作で、哲郎氏がスペインから帰国し、工房での仕事が始まった頃の、若き哲郎氏の手掛けた初期の作品ですが、既に、円熟した現在の作品と同様の完成度の高い仕上がりになっています。
材料のトップは杢目の詰まったナチュラル色のスプルース単板、サイドとバックは木目が詰まった濃色のローズウッド単板、ネックは硬いマホガニー、指板は漆黒のエボニー、ブリッジは柾目のローズウッドのようです。また、ヒールのジョイントはドイツ式で、当時の良い材料と哲郎氏の巧みな製作技術で優れた仕上がりになっています。また、スプルースと硬いローズウッドの音響効果で高音は華麗で低音は力強く響く音色になっています。
製作から24年が経過してトップのブリッジ中央下の右側とバックの中央下に薄い割れがあり、前のオーナーが塗装修繕しています。また、トップに弾きキズがあるため、ギター全体が塗装修繕されています。試奏用の弦が張ってありますのですぐに試奏していただけます。
ギターの割れや塗装など、外観を気にされない愛好家の皆さまには、若き哲郎氏の渾身の作品2001年をどうぞよろしくお願いします。
全長:101センチ
弦長:65センチ
弦高:約2.6ミリ 12フレット1弦
約3.2ミリ 6弦
ナット幅:約5.2センチ
ボディ幅:約10.2センチ
新品ハードケース付
新品ハードケースにプチプチを巻いて梱包します。安全にお届けします。
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